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⑤身も凍るほどの狂気!!傑作小説・『殺戮にいたる病』

僕が読んだ本について、あらすじや感想を【読書感想文】としてまとめてみました。
第4回で紹介する本は、“衝撃の結末”でも有名な、ミステリー作家・我孫子武丸の最高傑作である『殺戮にいたる病』です。

この本のあらすじや感想について、紹介していこうと思います。
皆様の本選びの参考になれればと思います。

新装版 殺戮にいたる病 (講談社文庫)

新装版 殺戮にいたる病 (講談社文庫)

 

 本のデータ

タイトル:殺戮にいたる病
著者:我孫子武丸
出版社:(株)講談社
発売日:2017年10月13日(新装版・文庫)

『殺戮にいたる病』のあらすじ

定年退職した元刑事・樋口は1年前に最愛の妻を亡くし、孤独な日々を過ごしていました。
そんな彼の家に元同僚の刑事が訪ねてきます。
話を聞くと、何かと樋口の世話をしてくれていた看護師の女性が残酷な殺人事件の被害者になってしまったようで…

自分の息子が“殺人犯”ではないかと疑う雅子…
「まさか、そんなことがあるはずない」と息子を信じようとする彼女ですが、息子の部屋で赤黒い血がついたビニール袋を見つけてしまいます…

稔は何年も前から自分が他の人とは違うと感じていました。
家にいるときも、大学にいるときも、何か満たされない想いを抱いていました。

ある日、稔は大学で1人の女学生に心惹かれてしまいます。
彼女をすぐにデートに誘い、その日のうちにホテルに連れていきます。

そして、そこで…初めて人を殺すのでした…

『殺戮にいたる病』の感想

世話になった知人を殺された元刑事、息子が犯罪に関わっているかもと疑う母親、そして猟奇殺人に手を染める犯人の3人の視点から、1つの事件を追う構成になっています。

刑事の視点では段々と真実に近づく緊張感を味わえ、母親の視点では理由もわからずに思いつめられる不安感を感じ、犯人の視点では狂気と恐怖に圧倒されます。

この本を読んで感じたことは、殺人犯の行動がヤバすぎるということです。

3つの視点の中でも、殺人犯・稔のパートが本当に恐ろしかったです。
人を殺す場面および殺した後までが生々しく書かれていて、ページを飛ばしてしまいたく思う場面も多かったです。

1度目の殺人を起こした後は、その記憶を思い出すために家で色々な行為に耽るのですが、精神的な狂気が感じられて怖くなりました。

それでもなぜか惹きつけられるものがありました。
とてつもなく恐ろしいのですが、先が気になってどんどん読んでしまいました。

母親の視点も印象に残ります。
自分の息子が凶悪犯だと思うと不安になりますよね。
本当にただの思い違いだったらいいのになって、共感してしまいました。

そして、この『殺戮にいたる病』は衝撃的などんでん返しで有名な作品です。
まだ読んでない人もいると思うのでネタバレは避けますが、結末は本当に衝撃でした。

終盤に近づくにつれて、ある場面で何が起きたのかわからなくなりました。
一体どんな状況なのかと考えながら読んでいるうちに、最後の最後である事実に気づかされます。

読んでいた時に何となく違和感を覚えつつ正体がつかめなかったものが、「そういうことだったのか」と終わってから色々と理解できてスッキリしました。

こういうどんでん返し系の作品は、1回読んでしまうと同じ衝撃は味わえないかもしれないですが、2回読むことで色々と気づくことがありそうですね。
1回目に僕が全く気付かなかった仕掛けをたくさん見つけられるかもしれません。

猟奇殺人をかなりリアルに書いたものすごくハードな作品なので、すぐに再読はできないですが、いつかもう一度読んでみようと思います。

まとめ

今回の読書感想文では『殺戮にいたる病』について紹介させてもらいました。

殺人シーンの描写がリアルでかなりグロテスクでしたが、展開が気になってどんどん先を読んでしまいました。

クライマックスも衝撃的で、色々な伏線が回収されて気持ちがスッキリとしました。
隠された事実を知った後から再読しても楽しめそうな作品です。

グロテスクな場面が苦手でない方や、思いっきり騙されてみたい方、ミステリーが大好きな方におすすめの小説です。