AKKY JOURNAL !!

色々な情報を発信していきます

④東野圭吾著『ラプラスの魔女』を読了!!

僕が読んだ本について、どのような本で、どのように感じたかを【読書感想文】として紹介します。
第4回で取り上げる本は、大人気作家・東野圭吾さんの書いた『ラプラスの魔女』です。

この本のあらすじや感想について、紹介しようと思います。
皆様の本選びの参考になれればと思います。

本のデータ

タイトル:ラプラスの魔女
著者:東野圭吾
出版社:(株)KADOKAWA
発売日:2018年2月25日(文庫)

『ラプラスの魔女』のあらすじ

ある温泉地で硫化水素中毒事故が起き、映像プロデューサーの男性が亡くなってしまいます。
テレビや新聞では明らかに事故と報道されますが、麻布北警察署の中岡刑事は事故ではない可能性を感じて独自に捜査を開始します。

一方、事故の原因を調査する大学教授の青江は事故に間違いないと思いながらも、事故が起きた原因がつかめないでいました。

そんな中、別の温泉地で同じような中毒事故である男性が亡くなります。
依頼を受けてそちらの調査にも繰り出す青江ですが、そこで前の現場でも遭遇した不思議な少女と再会します。

2つの事故現場に現れた少女は、ある人物を探しているようです。
不思議な力を持つ、その少女の正体とは?
そして、彼女が探している人物とは誰なのか?

青江は被害者の共通点から、ある人物と過去のある事件について知ることになります。
そうして、青江と中岡は情報を交換しながら、少しずつ事故(事件?)の真実に近づいていくのです。

『ラプラスの魔女』の感想

刑事や大学教授、不思議な力を持つ少女、少女のボディガード、被害者の妻など様々な立場の人間の視点から1つの事故(事件?)を見つめるストーリーになっています。

人物描写がはっきりとしているので、話し手が変わるたびにものごとの見方が変わったりして面白かったです。

温泉地で起きた事故…にみせかけた事件なのか?
刑事や大学教授が色々と調べるうちに、少女との接触を通してだんだんと真相に近づいていきます。
果たして、いったい何が起きているのか?

事件にはある不思議な力が関わっていますので、恐らく読者が自力で推理することはできないです。
そもそもトリックや犯人が誰かを当てるのが目的のストーリーではないのかなと思います。

どちらかというと、“少女達の力がどんなものなのか?”や犯人が“なぜそういう行動を起こしたのか?”の方が重要なテーマになっているような気がします。

不思議な力の存在がわかってしまうと事件のトリック自体は大したことがないですし、物語自体もそこまで捻りがないので地味な作品になりがちですが…

犯人の動機に関わる真実がかなり衝撃的です。

ある人物の存在感がものすごく際立っているのです。
中盤辺りから終盤まで物語の核となっている人物ですが、この人のインパクトが本当に強すぎます。

あれだけ感情移入させておいて、本当はそんな種類の人間なのか…とガッカリするどころか、逆に引き込まれてしまいました。

ある事件について独白する場面では、精神的にあまりにもヤバすぎて…
その場面だけが強く印象に残ってしまいました。

好きになってはいけないタイプの人間ですが、ストーリーを盛り上げるには重要な存在だったのだろうなと思います。
493ページありますので、なかなか読み応えがあります。
事件やストーリー自体は地味ながらも楽しく最後まで読むことができたのは、個々の登場人物が個性的で魅力的だったからだと思います。

東野圭吾さんの作品の中では中レベルの安定した作品だと思います。
彼の本はまた何冊か読んでみようと思います。

まとめ

今回の読書感想文では『ラプラスの魔女』について紹介させてもらいました。

久々のミステリー小説であり、久しぶりの東野作品でした。
現代の日本ミステリーを代表する作家というだけあって、彼の作品はやっぱり面白いですね。

東野圭吾さんが好きな方や、異色ミステリーに興味ある方にはおすすめの作品です。