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③本屋大賞受賞『52ヘルツのクジラたち』を読了!!

僕が読んだ本について、どのような本で、どのように感じたかを【読書感想文】としてまとめてみました。
第3回で紹介する本は2021年本屋大賞受賞作の『52ヘルツのクジラたち』です。

この本のあらすじや感想について、紹介しようと思います。
皆様の本選びの参考になれればと思います。

52ヘルツのクジラたち

52ヘルツのクジラたち

 

本のデータ

タイトル:52ヘルツのクジラたち
著者:町田そのこ
出版社:中央公論新社
発売日:2020年4月21日

『52ヘルツのクジラたち』のあらすじ

大分県の小さな海辺の町に1人で引っ越してきた女性。
友人に住所を知らせず、携帯電話も解約し、誰ともかかわらずにたった1人で生きていくことを決めていました。

ある日、彼女は少女のように美しい少年と出会います。
よく見ると、体はやせ細っていて、着ているTシャツは汚れ、体はアザだらけ…
女性は少年が虐待を受けていると確信します。

自らも家族から虐待を受け、人生を搾取されてきた女性…
少年のことを見て見ぬふりするわけにはいかないと感じます。

52ヘルツの声を出すクジラ、周波数が高すぎて他のクジラたちに声を届けることができないそうです。

少年の発する誰にも届かない「助けて」の声…
彼女は少年の52ヘルツの声を聞き逃さずに、助けることを決心します。

『52ヘルツのクジラたち』の感想

物語は、主人公の女性・貴瑚が母親から虐待を受ける少年をどうにかして守ろうとする現在の出来事を軸として展開されます。
その合間に、自分も虐待を受けていた子供の頃や、地獄から救い出してくれた大切な人々との関わり等、貴瑚の過去について語られます。

登場人物に関しては、悪い人は本当に悪い人です。
読んでいて、怒りがこみ上げそうになるくらい最低な人間ばかりです。
そして、それ以上に優しい人がたくさん出てきます。

そのため、虐待や暴力のシーンなど重く感じる場面があるものの、人の優しさや強さを感じる場面も多いため、読み終えた後は爽やかな気持ちになれます。
後半は、本当にみんなの存在が温かいです。

僕自身、本を読むのがあまり早い方ではなかったのですが、先が気になってどんどん読んでしまいました。
後半は感動で、ちょっとだけ涙ぐんでしまいました。

主人公の貴瑚がいいですね。
ところどころで声に出さないツッコミを入れるのが面白かったし、そのおかげですごく読みやすくなっていました。

自分を助けてくれた人を、自分は助けることができなくて、その経験があるから少年のことを助けようと必死になるのですが、そもそも人を助けるってそんなに簡単なことではないと思います。

それでも少年が幸せになれるように、何とか力になろうとする姿が気持ち良かったです。

少年も…
(本当の名前が割と後の方に出てくるので、あえて少年で通します)
後半の行動がすごくカッコ良かったです。

“わたしは、あんたの誰にも届かない52ヘルツの声を聴くよ”
※町田そのこ『52ヘルツのクジラたち』中央公論新社

貴瑚が少年に対して宣言したセリフです。
「誰にも届くはずのない言葉や気持ち」を聴くことがテーマの1つでもあるこの物語で、とても印象的なセリフですね。

僕も生きている中で、誰かの聴こえない声を聴く機会があったのに気づくことができなかったことがあったかもしれません。

人を助けることは、ハッキリ言って簡単なことではないと思います。
それでも、せめて誰かの聴こえない声に気づいてあげられるような、心の大きな人間になれたらいいなと思います。

まとめ

今回の読書感想文では『52ヘルツのクジラたち』について紹介させてもらいました。

最近はエッセイやビジネス書ばかり読んでいたので、久々に読んだ小説になります。
やっぱり、小説は面白いですね。
先が気になって、どんどん読み進めてしまいます。

虐待という重苦しいテーマを扱った物語なのですが、読んだ後は優しく温かい気持ちになれる本です。
少し時間を置いて、もう1度読んでみたいと思います。